家から一歩も出ない日が続いているとき、親にできること

不登校のお子さんが、学校だけでなく家からも出なくなる。倉敷市で保護者の方のご相談をお受けしていて、いちばん心配の色が濃いのが、この状態です。

学校を休むところまでは、まだ「休養」と考えることができます。しかし玄関から出ない日が一週間、一か月と続くと、休養ではなく別の何かが始まっているように見えてきます。このままでは戻れなくなるのではないか。そう感じられるのは、当然のことです。

ここでは、外に出られない状態をどう見ればよいのか、そして家庭で何ができるのかを、順を追ってお話しします。

外に出ないことは、原因ではなく結果です

まず一つ、見方を変えていただきたいことがあります。

「外に出ない」は、状態が悪化した原因ではありません。エネルギーが底をついた結果として現れている症状です。

学校へ行けなくなるまでの数か月、お子さんは相当な量の力を使っています。行かなければと思いながら行けない、という状態は、休んでいるように見えて、実際にはずっと消耗しています。その蓄積が限界に達したところで、外に向かう力が先に切れる。順番としては、こうなります。

ですから、外に出ないことを直そうとしても、うまくいきません。減ったものは、増えるまで待つ以外にないからです。ところが、ただ待つだけでは何も変わらないのも事実です。そこで、家庭でできることが出てきます。

外に出るまでには、順番があります

外へ出るまでには、段階があります。飛ばして進もうとすると、たいてい失敗します。

一つめは、家の中で安心して過ごせること。二つめは、家族と短い会話が成り立つこと。三つめは、家の中で何か手を動かし始めること。四つめが、ようやく家の外です。そして最後に、人のいる場所へ。

いま何段目にいるのかを見誤ったまま、「散歩でもしたら」と声をかけてしまうことがあります。二段目にいる子に四段目を勧めている状態です。本人にとっては、できないことを毎回突きつけられているのと同じになります。

「本人のための外出」を目的地にしない

外に出る段階に入ったとき、多くのご家庭でつまずくのがここです。

「気晴らしに出かけよう」「体を動かしたほうがいい」という誘い方は、善意から出たものですが、本人には「あなたを良くするための外出」と聞こえます。すると、出かけること自体が評価の対象になってしまう。行けば期待に応えたことになり、行けなければ失望させたことになる。この重さに耐えられず、結局動けなくなります。

効くのは、逆の誘い方です。

「買い物に行くから、荷物持ちについてきてほしい」。「銀行に寄るから、車で待っていてくれるだけでいい」。目的が親の側にあって、本人はそれに付き合っているだけ、という形にします。

このとき、時間帯も選んでください。夕方以降や、人の少ない時間帯です。倉敷の南中・西中の校区は、生活圏が重なっています。同級生や、その保護者に会う可能性のある場所と時間は、しばらく避けたほうが無難です。制服姿の中学生とすれ違うだけで、次の外出が数週間遠のくことがあります。

そして、出られたときに大げさに褒めないでください。褒めた瞬間から、次の外出には「期待に応える」という仕事が発生します。何事もなかったように「ありがとう、助かった」で終わらせるのが、いちばん続きます。

体力が落ちていることも忘れないでください

意欲の問題として見られがちですが、実際には体力の問題も混ざっています。

数か月ほとんど家の中で過ごせば、体力は目に見えて落ちます。少し歩いただけで疲れる、人の多い場所にいると頭が痛くなる。これは気持ちの弱さではなく、単純に体が鈍っているためです。

ですから、最初の外出は十五分で十分です。短くても、頻度が上がっていけば体力は戻ります。長く連れ出して疲れさせてしまうと、翌日から動けなくなり、かえって遠回りになります。

待たないほうがよい場合もあります

ここまで「待つ」ことを中心にお話ししてきました。しかし、そうとばかりも言えない場合があります。

食事や睡眠が大きく崩れたまま戻らないとき。半年以上、家族以外の誰とも接点がない状態が続いているとき。こうしたときは、ご家庭だけで抱えず、外の力を借りてください。

倉敷市には、ふれあい教室、青少年育成センター、家庭児童相談室、各中学校のスクールカウンセラーといった窓口があります。いずれも保護者だけでの相談ができます。お子さんを連れて行く必要はありません。

「相談するほどではないかもしれない」と迷われる段階で行くのが、ちょうどよいタイミングです。

最初の一歩を、学校にしなくて構いません

進路のことを考え始めると、どうしても「学校へ行けるようになること」が最初の目標になります。しかし、家から出られない状態のお子さんにとって、学校はいちばん遠い場所です。順番としては最後に来ます。

自学道場ALTSでは、はじめに保護者の方とだけ面談をします。お子さんは来なくて構いません。いまのご様子をうかがい、どの段階にいるのかを一緒に確認するところから始めます。

お子さんの体験は、そのあとで結構です。一時間から受けていただけますし、授業は午後からですので、朝が難しい状態のままでも来ていただけます。

外に出られない時期は、必ず動きます。しかし、その間に何もしないでいると、動き始めたときに行き先がない、ということになりかねません。お子さんが動けない今のうちに、保護者の方だけで、行き先を見ておいていただければと思います。

自学道場ALTSでは、保護者の皆様からのご相談をいつでもお受けしております。不登校のこと、進路のことなど、些細なことでも構いません。お気軽にご相談ください。

個別相談、校舎見学は、お問い合わせページからどうぞ。

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倉敷市立南中学校、倉敷市立大高小学校区のフリースクール・通信制高校「自学道場ALTS」 能力開発塾「自学道場」が創る新しい学校です。 (自学道場ALTS高等部は「並木学院高等学校 KCP学習センター倉敷」としても運営しています。)