内申点と高校入試の関係——不登校の保護者が知っておきたい岡山県立高校の入試制度

不登校が続いているお子さんの進路で、保護者の方が不安に感じることの一つが内申点です。「授業に出ていないのだから、内申はほとんどつかない。それでは公立高校は受験できないのではないか」。倉敷市でご相談をお受けしていて、いちばん多く出てくるのがこの質問です。

結論から申し上げます。受験そのものはできます。しかし、内申点が実際にどう働くのかを知らないまま動くと、選択肢を見誤ります。ここでは岡山県の制度を確認したうえで、では何が現実的なのかをお話しします。

岡山県の公立入試で、内申点はどのくらい重いのか

まず数字を押さえておきます。

岡山県立高等学校の一般入学者選抜では、学力検査が5教科各70点の350点満点、調査書が200点満点です。そして、この2つの比重は同等とされています。合否は単純な合計ではなく、それぞれ10段階に分けられて、総合的に判断されます。

調査書の200点の内訳は、中学1年生が9教科5段階で45点、中学2年生が同じく45点、中学3年生が9教科5段階の2倍に実技4教科を加えた110点です。

つまり、3年間すべてが対象で、しかも3年生の比重がいちばん大きい。中学2年生や3年生で学校へ行けなくなった場合、影響がもっとも大きい部分に重なることになります。

欠席が続いている状態で全日制の公立高校を志望する場合、当日の学力検査で相当な高得点を取る必要があります。しかも、授業に出ていない期間の学習の空白を抱えたままで、です。

不可能ではありません。ところが、2つの重い条件を同時に満たすことになりますので、そこは覚悟のうえで臨む必要があります。

長期欠席者が県立高校に出願するときにできること

そのうえで、知っておいていただきたい制度があります。

それは、自己申告書です。岡山県の入学者選抜では、長期欠席者や過年度卒業者などのうち、提出を希望する志願者に限って、自己申告書を提出することができます。学校に行けなかった事情や、その間に自分が考えてきたことを、自分の言葉で伝えるための書類です。

提出は義務ではありません。しかし、欠席の記録だけが数字として残る状態と、その背景を本人の言葉で添えられる状態とでは、伝わるものが違います。

担任の先生に「自己申告書を出したいのですが」と伝えるところから始まります。学校へ行けていない状態で先生に何かを頼むのは気が重いものですが、これは制度として用意されているものですので、遠慮の要る話ではありません。

なお、入試の要項は年度ごとに改定されます。ここに書いた内容も、お子さんが受験される年度の実施要項で必ずご確認ください。岡山県のホームページに毎年公表されます。

内申点の影響がない高校があります

ここからが、いちばんお伝えしたいことです。

通信制高校と定時制高校では、内申点の影響がほぼありません。選抜は面接や書類選考が中心で、中学校での欠席日数や評定によって道が閉ざされる仕組みにはなっていないからです。

これは、制度上の抜け道ではありません。もともと、そういう入口として設計されています。

全日制の入試は、中学校3年間を毎日通えた生徒を前提に組まれています。ですから、通えなかった生徒がそこで不利になるのは、当然といえば当然です。しかし、日本の高校進学の入口は一つではありません。前提の違う入口が、制度としてきちんと用意されています。

そして、卒業して得られる高等学校卒業の資格は、全日制も通信制も同じものです。大学受験の資格も同じです。「通信制だから高卒扱いにならない」ということはありません。

通信制高校は「落ちたから行く場所」ではありません

それでも、保護者の方の中に引っかかりが残ることは分かります。通信制は、全日制に行けなかった子が最後に行くところ、という感覚です。

しかし、実際に生徒たちを見ていますと、順番が逆であることのほうが多いのです。

全日制に無理に入って、朝の時間割と毎日の登校に耐えられず、1年生の途中で辞めてしまう。そこから改めて通信制に入り直す。この回り道の間に、本人は「また失敗した」という経験をもう一つ積むことになります。

最初から続けられる形を選んでいれば、その1年は要らなかったかもしれません。

ですから、選ぶ基準は「入れるかどうか」ではなく、「3年間続けられるかどうか」に置いていただきたいと思います。内申点は前者の問題であって、後者とは関係がありません。

いま、順番にできること

3つあります。

1つめ。中学校に、自己申告書の提出について確認してください。3年生の秋以降は手続きが立て込みますので、早いほうが楽です。

2つめ。通信制または定時制を、1校でいいので見ておいてください。実際に進学するかどうかは、この時点では決めなくて構いません。「内申点がつかなくても行ける場所が、確かにある」と分かっているだけで、ご家庭の空気がずいぶん変わります。

3つめ。この見学は、保護者の方だけで行ってください。お子さんを連れて行こうとすると、たいてい話が進みません。

まずは、保護者の方だけでお越しください

自学道場ALTSは、並木学院高等学校のサポート校です。高等部では、高校卒業に必要なレポートの作成を個別に指導しています。

はじめの面談は、保護者の方だけで結構です。お子さんの現在のご様子をうかがい、内申点や欠席日数がどう扱われるのか、いまの状態からどういう道筋があるのかを、具体的にご説明します。

お子さんの体験は、そのあとで構いません。1時間から受けていただけます。

内申点がつかないという事実は変えられません。しかし、内申点を必要としない入口があるという事実も、同じように動きません。まずはそれを確かめに来ていただければと思います。相談、見学のお問い合わせは下のボタンからどうぞ。

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